ミニスカート 60
2011/04/10 Sun. 01:03 [「ミニスカート」]
「私、あなたに抱かれたい・・・。」
不思議な衝動に駆られた私は、自分が口走った言葉に驚いた。
ヨシアキはハンドルの上の両腕に顎を乗せたまま、黙ってじっとしていた。
あたりは徐々に薄暗くなり、赤く焼けた空は夜の群青に呑まれようとしていた。
ヨシアキの様子が見えにくくなった私は、彼の横顔にじっと目を凝らした。
彼は泣いていた・・・。
身じろぎもせず、息を殺して一人静かに泣いていたのだ。
私は何も言わず、ヨシアキの傍で暫らくじっとしていた。
長い沈黙で彼の悲しみにすっかり包み込まれてしまった私は、一緒に打ちひしがれ身動き出来ずにいた。
結局、ヨシアキはその日何も話さずじまいだった。
ただ、私は底無しの悲しさだけを受け取った。
そしてまた、彼は音信不通になった。
家では遅い私を心配する家族が待っていた。
職場の人達と話し込んで・・ というと、あっさり信じた。
メールを確認したが、当然ヨシアキからの連絡は無かった。
彼は車の中で、それ以上無いくらい悲しく沈んでいた。
私は彼のこれからを案じてメールを送った。
-私は何ひとつ分かってないのかもしれないし、何も出来ないのかもしれない。
あなたと私の人生は平行線のままなのかな・・・。
でもね、一人で悲しまないで。
あの桜並木の川べりで、いつでも私はあなたを迎えるから・・・。-
私は一縷の望みをヨシアキに送った。
(続く)
不思議な衝動に駆られた私は、自分が口走った言葉に驚いた。
ヨシアキはハンドルの上の両腕に顎を乗せたまま、黙ってじっとしていた。
あたりは徐々に薄暗くなり、赤く焼けた空は夜の群青に呑まれようとしていた。
ヨシアキの様子が見えにくくなった私は、彼の横顔にじっと目を凝らした。
彼は泣いていた・・・。
身じろぎもせず、息を殺して一人静かに泣いていたのだ。
私は何も言わず、ヨシアキの傍で暫らくじっとしていた。
長い沈黙で彼の悲しみにすっかり包み込まれてしまった私は、一緒に打ちひしがれ身動き出来ずにいた。
結局、ヨシアキはその日何も話さずじまいだった。
ただ、私は底無しの悲しさだけを受け取った。
そしてまた、彼は音信不通になった。
家では遅い私を心配する家族が待っていた。
職場の人達と話し込んで・・ というと、あっさり信じた。
メールを確認したが、当然ヨシアキからの連絡は無かった。
彼は車の中で、それ以上無いくらい悲しく沈んでいた。
私は彼のこれからを案じてメールを送った。
-私は何ひとつ分かってないのかもしれないし、何も出来ないのかもしれない。
あなたと私の人生は平行線のままなのかな・・・。
でもね、一人で悲しまないで。
あの桜並木の川べりで、いつでも私はあなたを迎えるから・・・。-
私は一縷の望みをヨシアキに送った。
(続く)
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この記事に対するコメント
ヨシアキの悲しみは
なんでしょうか
なんとなくなら
僕にも…
frammento #- | URL | 2011/04/10 06:00 * edit *
frammentoさん・・・
いつも有難うございます。
ヨシアキの心中は、書いている私にもまだよく分かりません。
謎です。(笑)
人には説明出来ない悲しみがあると思います。
そしてそれは、同じ周波数の人間にシンクロします。
Mika♪ #- | URL | 2011/04/10 08:45 * edit *
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