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  ミニスカート   64 

「どうして・・・ 」

私は混乱し、戸惑った。
圭一は真っ直ぐ前を向いて言った。

「人を好きになるのに理由なんているのかな。」

辺りは少しずつ暮れなずみ、人混みに紛れて二人は黙ったままゆっくり駅に向かった。

ふと立ち止まった圭一につられて足を止めた私は、彼の視線の先に目を向けた。
路地の奥にホテルの淡い灯りが見えた。

圭一は私を切ない目で見つめ、無言で誘った。
(だめよ・・・)
私も何も言わずに首を振った。

すると彼は悲しそうにうつむいた。


駅の反対側のホームから、彼は電車の中の私をじっと見ていた。
眼差しが突き刺さる様な気がした。


圭一は私と会った日の前日に工場のバイトを辞めていた。
彼の場所で次の日から見知らぬ若い男が荷詰めの作業をしていた。

昼休みに土手に上ると、強い日差しを浴びて周辺は眩しく照り返していた。
日陰が見当たらず、私は程なく工場に戻った。

食堂で缶コーヒーを口にしながら、私は圭一の事を考えた。
私は彼に、単なる同僚以上の想いを抱いていた。

「また会ってくれますか?」
別れ際の彼の言葉に私は何も返事をしなかった。

圭一は寂しそうにホームに降りる階段へ消えて行ったが、いつでも連絡は出来る。
私はアドレスを変えるつもりは無い。
可能性を残しつつ、私は圭一を手放したのだった・・・。

でもひょっとすると、誰に対してもそうして来たのではないだろうかと私は思った。
どうして飽き足らずに、次々求め続けてしまうのだろうか・・・。
それは、満たされぬ寂しさから自分を守る手段の様に思えた。

愛されて生きている事を実感し、自分の存在の意味づけをしてそこに価値を見出そうとしているのだった。


完璧な愛など存在しないから、またその「足らず」を補うのを繰り返しているに過ぎなかった・・・。



(続く)
















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# |  | 2011/08/27 00:19 * edit *

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