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  ~ミニスカートの裏側~ 

人を好きになるという事は本当に不思議なものだ。

ミカを想う気持ちを、僕はどう言い表せばいいのだろう・・・。


あるイギリスのアーティストについてあれこれ検索していた時、僕はミカを見つけた。
ミカはそのアーティストについて、いくつかのサイトに書き込んでいた。
英語が得意ではない僕はその内容の半分も理解出来なかったが、彼女が熱心なファンである事は分かった。

そのアーティストは80年代にヒット曲を出したバンドだが、解散や再結成を経た今も根強いファンに支えられて活動している。
日本のファンはヨーロッパに比べて数が少なく、特に女性はあまり見かけなかった。
僕はミカに興味を持ち、ある音楽のSNSサイトに潜り込んだ。

彼女のページに辿り着くと、プロフィールに顔写真があった。
優しく誘うようなミカの明るい笑顔に魅了され、僕はすっかり心を奪われた。
そんな風に人を好きになったのは初めてだった。



今日、ミカは僕の新しいアパートに引越しの荷物を整理する為に来てくれた。

片付け終わって二人でコーヒーを飲みながら、、一年前に空港で会った時の話をした。

空港で別れる時、ミカは涙を見せずに泣いていた。
あまりにも悲しげな彼女の瞳に後ろ髪を引かれながら、僕は仕事に向かった。
そして心の中で彼女をこんなにも苦しめる自分を責めた。


だが、僕も苦しかったのだ。

初めの頃、僕はどうすれば上手く距離を保ってミカと付き合っていけるのかをずっと考えていた。
そうしている間にも、彼女との関係はどんどん深まっていった。
二人が惹かれあう事に、理屈は通用しなかった。

夜、何も知らずに隣で寝息を立てる妻の寝顔を見ると僕は胸が痛んだ。
けれどもミカへの想いが強くなるにつれ、そんな背徳感も少しずつ薄れていった。

時折多情に映る彼女の振る舞いにも僕は悩まされた。
正直なところ、彼女の本心は僕にもよく分からない。
僕だけを見ている様で、そうでない様にも思える。

でも僕は何も言う立場ではないのだ。


ただ一つ言えるのは、僕がどんなにミカを想っているのかミカ自身は知らないという事だ。










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